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冬雨 千晶 (fuyusame chiaki)

詩を書いています。日記をつける事と読む事、音楽を聴くこと、写真を撮ることが好きです。

1996年生まれ
岡山在住

◇略歴
2013年 「ヘッセ詩集」に出会う
2015年 Tumbrで日記をつけ始める。徐々に詩作に移行。
2018年11月 詩と写真の小冊子『化石の記憶』 発行
2019年9月 散文詩集『幽霊』 発行
2020年3月~2021年12月 月に一度、写真詩を届ける企画『残照』を行う。
2021年3月 放送大学 教養学部 人間と文化コース 卒業
2021年4月 写真詩集『残照』発行
2023年4月 詩集『氷下の膜に』発行
2023年5月 前橋ポエトリーフェスティバル「『青』の詩と写真 街なか展覧会」出展
2023年6月 『幽霊』『残照』の新装版を発売
2023年8月 「みんなの表町書店」に屋号「冬雨文庫」として出店


◇Link
mail :winterain66@gmail.com
通販:https://winterain.base.shop
取扱い書店 : https://linktr.ee/hyouka_no_makuni
twitter:https://twitter.com/winterain66
note:https://note.com/winterai
instagram:https://www.instagram.com/winterain66/
日記:https://wr16.tumblr.com/

※詩集を委託販売させていただける書店様を探しています。
また、詩作や写真に関する共作のお誘いなど、何でもお気軽にお声がけください。

2/25 イベント参加のお知らせ

2/25に岡山市で開催されるzineのイベントに参加します。

既刊詩集『幽霊』『残照』『氷下の膜に』と日記zine『西から枝へ』、今制作中の新詩集も(間に合えば)持っていく予定です。


【おかやまZINEスタジアム出店者リスト(6)】 ●猫背 ●note倶楽部 ●ノムタイ ●乗代雄介ワークショップ ●Huddle ●ハレマ ●BOOK遍路をつくる会 ●福武教育文化振興財団 ●冬雨文庫 ●Project OHANA ●文藝孔雀 Artfarm Presents ●蓬莱亭 ⇒続(7/9) pic.twitter.com/POnwEKwfG6  — おかやま文学フェスティバル (@okayamabungaku) January 25, 2024ALT

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人々の日記/冬雨千晶『西から枝へ vol.4 23.11.12 to 23.12.31』※人々の日記/¥400ALT

人々の日記/冬雨千晶『西から枝へ vol.4 23.11.12 to 23.12.31』※人々の日記/¥400【通信販売

『西から枝へ vol.4』をながいひる様へ納品してきました。11月半ばから12月末までの日記です。

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さめない夢
くりかえす
あなたの詩のふちに
触れながら
こわれてしまいそうな
その指をふるわせて
ひびく弦が
きれてしまいそうだ

からだをなくし
ただよった記憶
わかちあいながら
なにもしらないまま
つながりあった
孤独
重なりあった
冷たい背中をみおくった

消えていく水色
すくうことのできなかった
その意味を
こぼしている
夜の色
水平線
ゆらぎながら

おわっていく
季節をにぎりしめ
とじこめた
あなたの声が
いとおしく

辿りつけない
なつかしい旋律を
たどりながら
引き延ばされた
あなたの影
みえなくなっていく

「十月の残照」(2020.11.2)冬雨千晶 
写真詩集『残照』より

近況・2023

年末、と呼んでもいい時期に差し掛かり、今週の頭あたりから一気に真冬の空気へと入れ替わって、外を少し歩くだけで疲れ切ってしまう身体を横たえたシーツを今朝洗った。冷たさで指が切れたような気がした。今年と言わずいつも、この主体は「何かが変わってしまう事」への不安と嘆きを口にし続けている。ただ、今年はより一層、その変化が不可逆なものだという諦念と絶望しかなく、「みないように/考えないことにする」という弱さを選択することしかできない、そうやって、自分自身の(平静ともよべないが)存在(正気と言い換えてもいい)を保つことしかできないでいた。目をそらしている。みないことにする。何をみて、何をみないのか、選択をする。

自分ひとりで生きている訳ではないので、日々の洗濯をすることが、世界を観て、傷をみて、正しさを考える事よりも優先されることがある。”おさまった”とされるパンデミックのこと、マスクをする/しないの選択。ウクライナで継続する戦闘。イスラエル・パレスチナのことと、その歴史的背景。「キリスト教徒」として育ってきたこと。ダニエル書、黙示録に書かれていること。それを信じて育ってきたこと。昨年は『進撃の巨人』を戦争について考えるうえで一考に値すると思っていたけれど、扱われているモチーフの現実に起こっていることを考えるとき、今ではその評価があまりに無邪気であったとしか思えない事。
「毎日溜まっていく洗濯物を片付ける。同居人が帰ってくるまでに夕食の支度をする。寝込んだままにならない」ことがいまの私にとっての最重要事項であるとしたときに、上記のような思索をどこかへ片付けておかねばならなくて、それは正しいことではないかもしれないが必要なことだ。と言い聞かせる。ラジオの話声で耳を塞ぐ。

4月に詩集をリリースした。今までの冊子の「すべてを自分でやる」方式を手放して、装画を依頼して、頒布の方式も自家通販ではなく店舗にお願いして取り扱っていただく方式を取った。今までになく、多くの人の元へ届いてくれた詩集になった。それは私の力によるところではない、それが何か嬉しくもあった。その後、過去作『幽霊』『残照』をそれぞれ版を改めてリリース。萩原朔太郎の出身地である8月には岡山市の表町商店街で一ヶ月限定でオープンしたシェア型書店「表町書店」に参加。『西から枝へ』と題した日記本をはじめたり、こうして書き出してみると精力的に活動、していたことになるのだろう。

2023年12月20日の現在、それが今年の間にあったこととは思えないくらい、同じ自分がやった事とは思えないくらい、私が「冬雨」である時間が短くなっている。宣言をしない活動休止期間、と言ってもいいくらい。それは寂しいことなのかどうかもわからない。このページを開いて、記事を読む人はどのくらいいるのだろうか。あなたにとってここまで書いたことをどう受け止めるのだろうか。あなたの顔を、具体的に思い浮かべることが出来なくなってきた。かつては、もっと、親密に、あなたと呼びかけることができていたような気がするのだけれど。あなたの人生が、あなたと共に続いていく事を祈ります。

「生活」


洗濯機の中で絡まったタオルを
取り出せないまま むかえてしまった
カーテンの隙間から差す ひとすじの光が
水槽の魚を照らす

裂けてしまった尾
自分で 齧り取ってしまった

彼と初めて会ったとき
照明に照らされたちいさな器の中で
ゆらゆらゆれていた 
あのうつくしい ひれ

ながいときをかけ 代々に渡り
人の手で
つくりかえられてしまったので 
ただでさえ およぐことはうまくはなく

外側の空気の中でただみつめているしかない 
私に傷はない

 「いつまでもここにいて」
  口にした言葉に
  嘘は無かっただろう
  いつの間に 気持ちは
  勝手に うつろって
  西向きの部屋
  生活

シンクに溜まった食器のうえで
手を洗う なんども
この指を伝って落ちる 
水はきれいではない

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人々の日記/冬雨千晶『西から枝へ vol.3 23.9.1 to 23.11.11』/¥400ALT

人々の日記/冬雨千晶『西から枝へ vol.3 23.9.1 to 23.11.11』/¥400【通信販売

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11月11日にTumblrを始めてから9周年を迎えました 🥳

「九月の残照」

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眠りのなかでいきた二十年が
あしたおわるから
それまで どうか
目を覚まさせないで

夜空を渡る船にのった
黒の外套の裏
せんせいの
やさしく響く低い声が

あなたの
その背に いつか

手をのばした月が
おちてきた
白熱灯が
てのひらを焦がした

冷たくなっていく空に
おいていかれないように
もう一度
毛布をたぐりよせて

「九月の残照」冬雨千晶 ( 写真詩集『残照』より )

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「姿の消し方」

ひかりと共に咲いていた
花の色にも気づかずに
通りすぎた路地の入り口が
幾度も幾度も引き返し
道を辿っても
見いだすことはできないで

あなたの言う 花の美しさ
僕も感じることができたなら
そこなわれてしまったあの頃に
確かに胸にあったこと
再び、また、あなたと共に
とりもどせると思ってしまう

かなわない望みなのでしょう

顔を上げ 通りすぎる
ゆくひとの 顔は どれも
いつか どこかで 知っているように思われて
それで皆から目をそらす

歩くこの道がいったいどこであるのか
どこへつうじているのかや
どこからきたのかもわからなくなりました
わからなくなったので
ただ、みちなりに
歩き続けて
あるいていて、



(聖なるものへ 近づくときの態度を
いつから僕は
見失ったまま
生きることができたのだろう
日々の糧のみを願いながら
ついぞ
祈ることのない日々を
過ごしていた
祈りのことばを唱えることも
恐ろしくなってしまいました)



深い森へわけいっていく
誰もいなくなっていく
ぐるりの視線がふえてゆく
見定める目が増えてゆく
その目はすべて、僕のこと
森から追い出したがっている
ぼんやりとそれをうけとめて
わからないとつぶやいて
すべてのことはわかっていて
わからないふりをして
道が暗くなっていく
くらい光に
溶け込んでいく
輪郭が
とけてなくなっていく

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